引っ越しが決まると大忙しです。
ライフラインの手続きに会社への手続きと、何かと忙しい日々が続きます。
そんな中でガス開栓に伴う謎に出会う事があります。
「ガス開栓には安全検査が必要ですので、印鑑と保証金として一万円のご用意をお願いします」
「… 保証金?」
今回はこの保証金について考えてみましょう。
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ガスの開通するときの保証金って何?
主にプロパンガス会社で、この保証金の要求をされる事があります。
平たく言うと 「ガスの開栓してもいいけど、一万円先に貰わないと開栓しないよ」 って事です。
意味合いとしては、
「ガス料金をちゃんと支払う姿勢を見せてくれないと、これから始まる取引は両手を挙げて喜べません。」
って事になります。
一般的に保証金なんて聞かないので一瞬「?」となりますよね。
場合によっては怒りすら感じる事も…
ここで、この保証金の考え方について考えてみましょう。
そもそも、プロパンガス会社と消費者の間には考え方の差が存在しています。
消費者からすると、
「プロパンガス会社は公共性の高い会社、ライフラインを担った電気、水道に準ずる会社」
とみている事が多いと思いますが、プロパンガス会社からするとそんな気持ち余りありません。
もちろん会社の規模や考え方にもよりますが、自分達が地域の為に貢献するとか、ライフラインだから夜中でも24時間体制をとる。なんて事は、考えていない会社も多くあります。
何故なら、電力会社はご存知の通りみんなが大企業で、窓口、送電、保安等分業化されていてます。そのおかげで大して心配もせずに電気を使い放題、万が一停電なんかなったら「お金払ってるのに馬鹿にするな!」って言っても、謝り担当の人が誤ってくれるわけです。
水道にしても、自治体の運営がほとんどですから、基本お役所が運営です。
突然の断水になって「お金払ってるのに馬鹿にするな!」となっても、担当の方が謝ってくれるでしょう。
電力会社も水道も人が十分いるから出来る事なのです。
都市ガスも電気、水道と同様です。
ところがプロパンガス会社は同じではありません。
大きな会社でしたら良いですが、社長と奥さんだけのプロパンガス会社も存在していますし、2~3人、5~6人とか10人くらいとか、それは様々です。
ですから「お金払ってるのに馬鹿にするな!」と言っても
「急に言われても無理は無理、見にはいきますが対応は明日しか出来ません」って事もまかり通る訳です。
電気や水道も料金未納が続くと止められる事がありますが、生存権の関係で入念に何度も案内されてから止められます。
ですが、プロパンガスは遅くても2か月料金が未納だとすぐに止まります。
一応案内は来ますが、払わないから止まると至ってシンプルな感じです。
この差は何かというと、消費者(つまり貴方)が選べるか選べないかの違いです。
今でこそ電気も都市ガスも選べるようになりましたが、以前は選べないのが普通です。
その地域の電力、都市ガス会社としか取引できないのです。
ですが、プロパンガス会社はたくさんあって、どの会社と付き合うかは自由に選べるのです。
つまり、プロパンガス会社にとって保証金も貰う人は消費者であって、お客様ではないのです。
保証金は主に賃貸物件のみに使われるシステムです。
誰かひとりが他のプロパンガス会社にしたいと言ったところで、それはかないません。
唯一、プロパンガス会社を変更できるのは、物件の持ち主の大家さん以外いません。
ですから、多少物件入居者から文句が出たとしても、大家さんに嫌われなければ体制に支障は出ない。だからお客様は大家さんであり、消費者は入居者って図式になるのです。
以上を踏まえて考えて欲しいのですが、保証金の本質は何かというと…
【未払いを起こされた時に必ずコストがかかります。(請求書の再発行、催促の電話等)そのコストをかける根拠の担保】
【未払いのまま無断退去された場合の補填】
【保証金が用意できなければ、今後正常な取引が出来る訳がないので未回収になる前の線引】
と言ったところだと思います。
ただ、未払いになる可能性が無い人にとっては、
「貴方、泥棒すかもしれないから、先にお金ちょうだい」って事ですから、感情的になるのは必然です。
ガスの保証金って返ってくるの?
保証金は必ず返ってきます。
ただ、多くの場合が返金要求をする事が預かり証に明記されているので、必ず返金要求をしましょう。
注意点としては、領収書ではなく別紙の預かり証である事
一般的に、保証金は預けるだけであってプロパンガス会社の収入にはなりません。
ですから、領収書で処理されると会社の収入になる危険性があります。
そうなってしまったら、返金要求をしても「預かったのではなく、頂いたのです」って事になりかねません。
ちゃんとした会社であれば心配はありませんがプロパンガス会社はたくさんあるので、注意するに越したことはありません。
多くの会社が保証金をもらって預かり証を発行し、預かり証をもらって返金するというパターンが多いみたいです。
保証金の話しをされても余り感情的にもならない方は、
ここを出る時に一万円返ってくるから、それでご飯食べに行こう!
ぐらいの感覚が良いと思います。
ガスの保証金は払わないとダメなの?
保証金は絶対かといえば、絶対ではありません。
保証金の本質で書いた部分が担保されれば良い訳ですから、例えば、
「クレジットカードで払う予定だがそれでもいるのか?」
的な事でも払わなくても良いでしょうし、ただ単に払う理由が納得できないと延々と続けても、たぶん、払わなくても良いでしょう… たぶんですけど…
たぶんの根拠は、以前娘が札幌に引っ越してた時に保証金を求められた事がありました。
突然でしたのでびっくりして「絶対に必要か? 払わないとガスが使えないのか?」
と聞いたのですが、その返答がゆるかった… というか、「絶対と言うわけでも…」的な返答だったからです。
私は払えない訳でもないし、娘が数年間世話になるのに変に思われたくないし、友人を通じてガス料金はまけてもらえる事になっているから、変な迷惑もかけたくないし…
って理由で払いました。
でも、あの時の事務の女性の方の対応からすると、探り探り保証金の話しをされた印象です。
「無理にでもって事でもないのですが…」って感じで…
ですから、保証金の要求はされるでしょうが、保証金って賛否両論あるのかなって思います。
ただ、色々な問題や事例があって保証金というシステムが出来上がった事は想像できます。
私が若い頃は聞いたことの無いシステムですから…
実際、ガス代だけでなく色々な代金を払わない人の話しも聞きますし、不景気も続いているように思います。
供給側と消費側が双方納得できれば良いのですが、保証金制度にはまだいくつかの課題が残っているように思います。
まとめ
今回はガスの保証金について考えてみました。
①保証金は支払い能力の担保
②違う方法で担保できれば保証金はいらない
③保証金は必ず返って来るが注意は必要
④払う払わないよりもガス会社との今後の付き合いを考えましょう
ってところです。
参考にして頂ければ幸いです。
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