プロパンガス料金が高い、対応が悪く信用できない、理由は様々でしょうが、
ガス会社を変更したくなる事ってあると思います。
電気や都市ガスも自由に選べる時代ですから、プロパンガス会社の変更も簡単に出来ます。
戸建て住宅であれば何の問題もありませんが、それが集合住宅であれば話は変わってきます。
貴方は借りているだけですから、集合住宅の設備に関わる決定権はありません。その代わり、
洗面台が壊れた、便座が壊れた、暖房機が壊れた等は管理会社に言えば修理なり、交換なり
してもらえて、その料金は大家さんが払っているのです。
つまりガス会社の変更は出来るが、それは大家さんだけが決定権を持っている事なのです。
って、ところを踏まえてプロパンガス会社について考えてみましょう。
ガス会社の変更は賃貸でも出来る?
賃貸アパートや賃貸マンション、貸家の場合にガス会社の変更については、
出来るか出来ないか?って問であれば出来るのですが容易ではありません。
何故なら、貴方には決定権が無いからです。
そもそもプロパンガスは一物件づつガスを供給している方式です。
入居している人には見えませんが、定期的にボンベ交換(バルクタンクの充填)が日常的に行われているのです。
ガス会社はメーカーや問屋からプロパンガスをボンベ(充填量)で仕入れ、それを各部屋に付けている
メーターの分だけ売上るシステムです。
ですから、各部屋を部分的に違う会社に変更する事が難しいのです。
これを説明するのは、なかなかのスペースを使いそうなので割愛しますが簡単に言えば
「備蓄在庫と売上と仕入の正確性が担保できない」って事が最大の原因です。
集合住宅で自分の部屋だけ違う会社でガスを供給する事を可能にするなら、個別に新たな配管設備をして専用のボンベを設置するしか方法はありません。
そうなると、ボンベを置く場所はあるのか?
配管をするなら穴を開けたり壁に配管を留めたりする許可が出るのか?
って問題になります。
そうなると、入居者一人の意向では不可能としか言えないでしょう。
でも、それでは話しとして面白くないので、そこを何とか考えてみましょう。
本質で考えてみましょう。
大前提の例
大家さんは賃貸料で収入を得ているので、
家賃が下がるとか入居率が下がる事に当然敏感です。
貴方以外の入居者も貴方と同じ不満を持っていて、
その不満が理由で引っ越しすら考える。
状態の例
大家さんに対して発言権がある、もしくは発言権がある入居者、知人がいる。
入居者の不満を取り除けるガス会社、もしくは担当者を知っている。
大家さんはガス会社に対して固執していない、どこでも同じ程度の認識しかなさそうだ。
管理会社に不満をぶつけてみると、ガス会社を庇うそぶりも無い。
以上の様な状況がそろっていればトライする価値はあるかもしれません。
その時重要なのは、「入居者の不満を取り除けるガス会社、もしくは担当者を知っている」
ってところですから根回しが大切です。
受けてくれる会社があって初めて切替可能となるのですから順序は大切にして下さい。
ガス会社の変更は大家に言えばしてくれるの?
もちろん、大家さんが変更に関して「うん」と言ってくれれば可能ですが、世の中そうそう上手くは行きません。
大家さんにしてみればガス会社を変更するメリットとデメリットを当然ながら考える事でしょう。
それは貴方が考えるメリット、デメリットと一致しないのが当然です。
・入居者は設備を使用だけする人
・大家さんは設備を使用しないが用意する人
同じベクトルになり得ない立場なのです。
また、メリット、デメリットだけでなく現在のガス会社との付き合いの深さも考える事でしょう。
貴方にとっては嫌な会社かもしれませんが、大家さんにとっては素晴らしい会社かもしれないのです。
以前ガスコンロのプロパンと都市ガスの違いは?プロパンガスのメリットとデメリットと料金が高い場合にする事でも書きましたが、ガス会社にすれば入居者の貴方はただの消費者で、大家さんはお客様だと考えているでしょうから、良かれと思って大家さんに提案しても煙たがられる可能性もあります。
ガス会社の変更は無理ではありませんが、かなり高い壁があると言えます。
ガス料金が高い理由はこれが理由かも?
2018/6からプロパンガスの料金表示に変更があるという話があります。
たぶん、決定事項だと思いますが、現在はその準備で進んでいるそうで、今のところは罰則が無いのであまり進んでいないのが現状ですが
どう変更かというと、現在の基本料金、従量料金のみの表示から、設備貸与がある場合はその貸与料金も明記せよって事になります。
平たく言うと、物件に対してガス会社が大家さんに貸し出している物がある場合、その設備料金の償却、回収の為に、ガス料金に転嫁している物があれば、それを表示しなさい、って事です。
これは、貸す側にとってはゾッとする話です。
昔からある話ですが、「ガスストーブ物件はガス料金が高い」という現実。
それは、ガス会社がガスストーブをタダで物件に取り付けます。
当然ストーブ本体も安い物では無いし、配管、取付工事も発生するので、その投資を回収するためにガス会社は入居者のガス料金に転嫁します。
基本料金を少し高くして、従量料金も少し高くするって図式です。
でも、これって入居者が負担する必要があるのか? って事ですよね‼
もしそうなら、高くした分は設備料金なので、その分家賃を下げてもらって当然だと感じます。
ですからもし料金表示が変わって、リース料金とか貸与料金なんて表示があれば、ガス会社や管理会社に説明を求める事が賢明だと思います。
賃貸物件は設備の一切に責任を負わない代わりに、いくら家賃を払っても何一つ自分の物にならないシステムです。
なのに、入居者が設備代金を負担するなんて、大家さんを儲けさせるためだけのシステムだと思うのです。
過去は過去として、様々な業界で色々な常識があるのは分かります。
それで良い時代があった事も理解できるので、遡ってまでとやかく言う気もありませんが、これからの時代は業界の常識が世間の非常識では発展はないと感じるのです。
誰もが納得できる理由を持って、ガス会社も大家さんや管理会社も商売に勤しんで頂きたいと願います。
友人のプロパンガス会社の方が言っていた事が印象的です。
ガス給湯器等の機器はガス会社の所有物にしておく必要がある。なぜなら、一酸化炭素事故はガスの爆発事故と違い、一定の数から減らない現実がある。これは機器が古くなっても大家さんの所有物なら勝手に交換するわけにはいかない。だが、ガス会社の所有物なら安全基準が変わったり古くなった場合には基準に合った物を、速やかに交換できるからだ。
なるほど。と思いました。
料金だけでなく安全性もエネルギーを選ぶうえで重要なファクターです。
理由が納得できる内容を正直に説明してもらえる世の中になれば良いと感じます。
まとめ
今回は集合住宅のプロパンガス会社の変更について考えました。
① 変更は不可能ではないが、残念ながら10%以下の成功確率だと言えるでしょう。
② どうしても変更したいのであれば情報を集め、順序を間違わずに進めましょう。
③ 何事にも理由はあります。
どうして高いのか、どうして取引を続けるのか、本質を見てみましょう。
余り役には立たないかもしれませんが、今回の記事は考え方や順序は参考になると思いますので、現在に不満がある方は色んな方と情報交換してみてくださいね。
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