今回は飛び込み営業について考えてみましょう。
営業の仕事も色々と分類されますが、その中でもハードなイメージNO.1なのが飛び込み営業でしょう。
アポを取るわけでも、呼ばれるわけでもないのに勝手に訪問し、更には物を買ってもらおうとする、なかなか手前勝手な仕事ですよね。
それでも、そんな仕事もしっかりと存在しており、お客様も感謝される方も現実いるのです。
今回は法人、個人の区別なく考えますが、以前書いた記事を参照していただけると、より理解して頂けると思います。
飛び込み営業 やり方のコツってあるの?
稲森和夫氏の人生の方程式って、いろいろな研修やビジネス書などで目にした方は多いと思います。
仕事の成果=考え方×熱意×能力
ってものですが、この考え方がどんな仕事でも一番大切だと思います。
詳細は私の説明よりも調べた方が正確なので言及はしませんが、しっかりとした考え方を身につける事は基本中の基本であって、全ての仕事をうまくいかせる最初の一歩です。
その意味で、営業のコツって、考え方が八割で残りは真面目にコツコツやる事としか思えません。
営業における考え方
・ 契約する事から演繹法で考えましょう。
・ プレゼンやクロージングは帰納法を使って同意を得ましょう。
・ 契約をもらえるかよりも、自分のお客様にふさわしいかという目線を持つこと。
・ 契約を断られたのではなく、伝えられなかった。
また断りのサインを見落としてしまったと理解する。
・ 常に情報収集し契約確率を分析し、仕切り直しを怖がらない。
この5つを頭に置いてトークの組立てや判断基準を作ると自身の頭も整理される事でしょう。
多くの会社には営業トークの基本なるものが存在していますが、それは残念ながら参考程度にしかなりません。
言葉というツールは、あなたの頭や五感、表情というフィルターをくぐってしか発動できないのですから、どう考えて話しをしているかという所が重要になります。
ただ台詞を暗記しただけでは購買意欲に訴えられないのです。
演繹(えんえき)で考えると…
アポも無し、依頼した訳でもないのにやってきて商品を勧める彼は信頼に値するのか?
それ程彼は仕事真面目で、我が社(我が家)に対して親身に考えてくれてのことだろう。
と、ならないと契約には結びつかないと思いませんか? そうであれば、おのずの自身の態度、姿勢は決まってくるはずです。
常に、相手に対するリスペクトは表現するべきです。
特に飛び込みであれば尚更です。
そもそもが、勝手に訪問しているのですから相手に伝わるように表現していないと契約になるはずがないのです。
飛び込み営業で最初の一言 なんて言えば良い?
いろいろなパターンや地域性があって、必ずこう言うってものは、私にはありません。
個人住宅や受付がない法人の場合には、あえて名乗らないって事もままあります。
最初に名乗らなくても契約が取れますが、名乗る事によって決定権者にすら会えない事の方が多い場合だってあるのです。
多くの営業に関する書籍やマニュアルには社名と個人名はしっかり名乗る事と書かれていますが、現実は少し違うと思うのです。
私が最初に気にしている事は、契約に値する人(会社)かどうかです。
売買の決定権は双方にあると信じています。
現実には契約すると言われたって断る場合だってあるのです。
それを判断するのも、営業の重要な仕事だと思っているのです。
ですから会社であっても住宅であっても、本棚にはどんな本があるか、壁に貼ってあるのは何か、視覚から入ってくる情報を整理すると、色々と理解出る事が出てくるのです。
つまり、私の場合の最初の一言は、法人であれば
「毎度様です。えっと、仕入担当の方はいらっしゃいますか?」
とか個人でも
「ピンポーン、こんにちは。今日も暑いですね… 今日は紹介したい物があって寄ったんですが、今、時間ありますか?」
って感じが多いような気がします。
ここを乗り越えないと契約には絶対ならないので、
「はーい、どうぞ」って家(会社)を探しているという表現が正しいのかもしれません。
営業を嫌う人達もいるので、最初の段階では営業マンが来たと思われるよりは、なんか少し変わった奴が来たがニコニコしているから、話し位してみようか… くらいの人でないと最初のハードルは越えられないと思います。
話しをしないと何も始まらないのが営業です。
ですから話しをする事は、何よりも最優先します。
そして、私が契約をしたい。と思った時から営業として仕事を始めるのですが、親とか兄弟と話しをするくらい気持ちで親身に考えます。
その家(会社)に合った物を提案します。
ここは会社の都合や自分の歩合なんてあまり関係ありません。
重要なのは契約をとる事です。
お金があるお客様でしたらよりよい物を、そうでないならそこに見合った物を…
頻繁に長く使う物ならより使い勝手が良い物を、年に数回しか使わないのであれば耐久性よりも安価な物を進めます。
勿論、その進める理由が重要ですからしっかり理解してもらえるまで説明もします。
帰納法は今の契約にする材料であったり、根拠ですから重要なのはやはり自身の立ち位置、考え方を理解してもらう事だといえるでしょう。
飛び込み営業のトーク例ってあるの?
営業トークのマニュアルと同じで、台詞はいくらでもありますがそれをどの場面で、どんな表情で言うのか、またお客様の年齢や性別で使えるのか、使えないのかが変わるので正直難しいです。
ですが、タブーは存在しています。
営業は言葉で収入を得る仕事ですから、言葉使いには徹底してこだわるべきです。
それを気にすると、言葉使いに変化が現れて今まで気にせず使えていた言葉が使えなくなる事もあります。
学ぶ事事態が持っている副作用かもしれませんが、一時的にスムーズに話せなく事もあるかもしれませんね。
ですがあくまで一時的なものなのでそこは乗り越えましょう。
私が営業中使わない言葉
・相槌に「なるほど」は使いません。
目上の人が商談相手だとすると失礼だととられる場合があります。
特に「なるほど、なるほど」の繰り返しの相槌は、相手に不快感を抱かせる危険性があります。
「なるほどなるほどうるせえな。左様でございますかって言えよ。」って思われる場合も多いはずです。
・相手の質問に「大丈夫です」と答えません。
「大丈夫です」は質問の答えになりません。
どちらの意味にもとれるし、曖昧なのです。
「部屋が寒いと思いませんか?」「はい、大丈夫です」
「喉は渇いていますか?」「いいえ、大丈夫です」
気付きますか?
もう1ターン質問をくれないと真意がわからないと思いませんか?
「部屋が寒いと思いませんか?」「はい、寒くはないです」
「喉は渇いていますか?」「いいえ、渇いていません」
こちらの方が明快ですし、大丈夫で返すとその先の質問に被さる傾向があるので使いません。
他にもたくさんあるので、違和感のある言葉について考えてみてください。
過去に私が使った営業トークを例として紹介しますね。
・状況1
リフォームの相見積の依頼があり、地場の有名工務店からの見積あり、やや高めの価格だが床暖房灯油ストーブが一般的な従来型のスタイル。価格には文句はないが適正価格かどうかを知りたい。
・私の頭の中
単純な相見積であれば簡単に価格は下げられる(利益は減る)。
お客様は工務店の見積を高いとは思っていない。
値段を下げて契約をとっても面白くない、再度工務店が価格を下げる可能性は0ではない。
・行動
さらにデザインの良い床暖房灯油ストーブを選定した単独の見積を作成、相見積はしなかった。
・トーク
「工務店さんの見積も安いと思います。
私共でやるといくらかの値引きは出来ますが、それよりも○○様の家は木調の家具で統一された居間にするプランですから、私はこのストーブは合わないと思います。
ですから、私はこのストーブをお勧めします。
せっかくの入れ替えです、入れ替えると10年以上使うので家具と統一感のあるこちらにした方が、お友達が遊びに来た時も絶対に素敵に見えると思います。
価格は少し高くなりますが、こっちにして良かったと言ってもらう自信があります。
以前のプランでも1万円くらいは安く出来ますが、大して大きな金額の変更はないので工務店さんでやってもらって下さい。でも、ちょっと想像してみてください。
この居間が木調家具になって、真ん中にこのストーブとこの最新のストーブがあるのでは、部屋の印象が全然違うと思いませんか?」
・結果
私のプランで決定、利益も当初よりも多く発生。工務店の再見積はなく単独見積で工事開始となり、完了後ストーブの変更を提案してくれた事に感謝の言葉を頂いた。
営業マンが存在し続ける現実は、詰まる所、購入衝動は対面でのみ起こる感情なのだって事なのかもしれません。
プラスの良い考え方、自分にとっても、会社にとっても、お客様にとっても、それを身につけていれば、ケースに合った
よりよいプランは必ず発想されると思っています。
まとめ
さて、今回は飛び込み営業について考えてみました。
営業の登竜門とも言われますが、まずは契約をとる事よりも情報をとる事に軸足を置いて行動してみてください。
いつでも自分の言葉を修正する勇気と考え方を意識して、今日も飛び込みましょう。
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