新入社員の皆さん、研修も終わり会社の雰囲気には慣れてきたでしょうか。
慣れてくると新たな問題が発生してくるものです。
雰囲気に慣れない、仕事が見つけられない、仕事の効率が悪い、等々、誰にとっても数年間続く悩みです。
もちろん、それで無いと成長も無いわけですから、それはそれで正常という事になるのですが、本人にしたら悩み所です。
そこで今回は、仕事が無い、または見つけられない、さらに上司や先輩に好印象を与えながら仕事をもらえないか、という事について考えてみましょう。
新入社員で仕事がないと困っている人へ
業種、職種で差があるとは思いますが、全般について考えましょう。
まず、漠然と全てを仕事と捉えると本質が見えなくなるので、仕事を分解して考えます。
私は、作業と仕事と分けています。もちろんどちらも大切な仕事ですが、思考の範囲を狭くした方が良いと思います。
作業と仕事をそれぞれ分析してみましょう。
作業とは…
特に必要なスキルや経験はありません。アルバイトでも、子供でも、老人でも、誰もが出来る仕事です。
もちろん予算があれば機械でも出来るので、目指すべき姿は、より早くより正確に! が最大のテーマです。
仕事とは…
スキル、経験、考え方で結果に大きな差が出る仕事です。営業や交渉をはじめ技術職の仕上げも重大な仕事です。
クライアントによって要求度の差があるので誰でも出来るという事にはなりません。
目指すべき姿は、要求度、重要度によって変化しますが、オンリーワン、ナンバーワンといった所です。
それでは新入社員のあなたに置き換えて考えていきましょう。
前段の作業と仕事に分けると、仕事を希望する事は時期尚早と言える事は理解できるでしょう。
例えば、新入社員のあなたに会社は一億円の案件は預けません。
当然の話でスキルも経験も実績も無いわけですから、冒険では無く無謀という意外に表現できない行動だからです。
もし新入社員にそんな案件を預けたら、案件の消滅と同時に新入社員のあなたも潰れてしまうからです。
つまり仕事は達成して成果を得る経済活動と人材教育も配慮しながら行われている。と言えると思います。
ここからが重要です。
新入社員の皆さん、出来る事を精一杯やる事に徹底しましょう!
出来もしない事で悩む時間があるなら、出来る事を精一杯やる姿は美しいものです。
若さの特権といえるでしょう。
若者のひたむきな姿は感動を誘うのです。
それでは新入社員のあなたに出来る作業を書き出してみましょう。
・床掃除
・デスク拭き
・窓拭き
・車両掃除
・トイレ掃除
・資料作成
・道具整理
・回覧文書整理 等々
基本はこんな感じでしょうが、先輩から認められたら
・見積作成
・アポ取り
・案内文作成 等、色々と増えていく事でしょう。
作業を馬鹿にする人もいるでしょうが、現実問題として清掃業者の方々は清掃という作業で収入を得ているのです。
加えて、ただ清掃するだけでは差別化は図れないので、何かしらのプラスワンがあるのです。
「○○さんが淹れたコーヒーは美味しいね」
耳にする言葉だと思いますが、コーヒーを淹れるという作業に何らかのプラスがあるから他の人より美味しくなるのです。
逆の例で
「このコピー○○しただろ… いつも曲がってるんだよな…」
これも耳にする言葉だと思います。
これは作業を馬鹿にしている人の典型です。
作業は、より早くより正確に! がテーマです。
雑は早さにとっても正確さにとってもマイナスでしかありません。
どんな有名レストランでも修行は皿洗いから始まるといいます。
地味に感じますが、私はそれでも大舞台だと思います。
皿はシェフが作り上げた料理を乗せてお客様の元に運ばれるいわば舞台であると言えると思うのです。
自分が洗い磨き上げた皿が輝いて、食事にアクセントを与えると思えば気が抜けないと思いませんか?
そして、そんな気配りが出来ない人は次のステップに進んだとして、良い仕事が出来るはずが無いと思うのです。
新入社員のあなたは仕事が無いと思うかもしれません。
ですが、作業を見直すと見えてくるはずです。
たくさんの作業の上に仕事は乗っているイメージが出来ると思います。
乱雑なオフィスを好む人はいないと思います。
整頓されたオフィスの方が仕事の効率も上がるでしょうし、なにより気持ちよく働けると思うのです。
仕事がないなら徹底して作業をこなして下さい。
より早くより正確に出来れば、その次に馬鹿にしていた作業でも更に何らかのプラスがある事に気付くはずです。
コーヒーを美味しく淹れるプラスに気付く事が出来れば、きっと仕事に進んでも成果が出るはずです。
新入社員の仕事の見つけ方とは?
「目配り 気配り 心配り」昔の人は良い事を言うと思います。
作業の良い所は慣れてくると身体が勝手に動いてくれる事です。
脳を介せず運動神経だけで大半は済んでしまうのです。
その間の脳の使い方を考えましょう。
サッカーやバスケットで視野を広げるためにボールを受け取ると首を振るという動作があります。
フェイクにも使えるのですが、視野を広げる事は職場でも大切です。
まずは目配り。
同じ職場でも、技術さん制作さん、営業さん、事務さん、職種が違うので当然作業にも違いが出てきます。
誰がどういう順序でどんな作業をしているか、出社後、上司や先輩は何をしているのか、これを見ていきましょう。
新入社員の皆さんは仕事を自分で作れなくて当たり前なのです。
ですが、何もしなくて良いというわけではありません。
精一杯パスを受け取る努力をして下さい。
それは誰が何処で何をしているのかを知らなくてはパスをもらいに行く事すら出来ません。
三ヶ月位続ければ見えてくるはずですから見る事、観察する事を徹底しましょう。
次に気配り。
あなたに仕事を教えてくれるはずの上司や先輩の動きが読め始めたら、相手の気持ちを先取りしてみましょう。
「○○さん、今日は五十日ですから入金チェックのリストを私が出します」とか
「主任、水曜日ですから外回りかと思いますが、随行させていただけますか?」
「工場長、金曜日ですので重機のグリスアップは私に任せて下さい」
なんて感じだと、気が利くなと誰もが思うでしょうね。
最後に心配り。
これはさらっと出来れば良いですが、押しつけやしつこいと嫌われるので気をつけましょう。
気配りをより感情的にしたものだと思って下さい。
「係長、今週出張だと聞きましたが、最近残業が多いようですから、私に出来る事があれば手伝わせて下さい」
「○○さん、体力を使う仕事しかお手伝いできませんが、顔色が冴えないようなので何でも言って下さい」
言葉一つで人との距離は変わるものです。
臆せず声に出しましょう。
仕事を見つけるというよりも、仕事をもらう感覚の方が頼まれやすいと思います。
新入社員の上司に好印象を与える仕事のもらい方
前段の言葉でも好印象で仕事をもらえると思いますが、前提として作業はこなして下さい。
当たり前の事が出来ているかどうかは重要な評価基準なのです。
協調性をもって作業が出来ない人は先がないのです。
それが出来ていると思えれば、具体的に上司、先輩の仕事の手伝いを口にして下さい。
例えば
「係長、来週訪問予定の先のアポイントを私が取っておきたいと思ったのですがよろしいでしょうか?」
「○○さん、○○様の見積は前回と同じ掛け率であれば、私が下書きを作りますがよろしいでしょうか?」
「主任、五十日の集金業務ですが、私も手伝いたいと思いますので半分振り分けていただいてよろしいでしょうか?」
具体的に聞けばイエス、ノーが早いでしょうし、例えノーでも、意欲があるならそこまではまだ早いがここまでならいいかな… と上司も考えやすいはずです。
自分で苦手を作らない事も重要です。
あなたを評価するのは上司や先輩です、勝手に壁を作らず作業であれ苦手意識のある仕事であれ精一杯取り組んで下さい。
その姿は美しいはずですから。
最後に
仕事は(作業、仕事)に分けて考える事。
目配り気配り心配りを意識する事。
具体的に仕事の要求をする事。
この三つを大切に一生懸命頑張って下さい。
頑張った人が正当に評価される会社に入社している事を願います。
ささやかでも参考になれば幸いです。