人それぞれかもしれませんが営業トークにおける雑談の位置づけを何処におくか…
もちろんお得意様なのか初対面なのか、年上なのか年下なのかで違いがでますが、営業トークの組み立ての中で雑談は
欠かせないものである事は違いありません。
そこで今回は営業トークにおける雑談について考えてみましょう。
雑談が苦手だと思っている方、会話のネタについて、またトーク力を鍛える方法について考えましょう。
営業トーク雑談が苦手なのはどうして?
雑談が苦手という話しをよく聞きますが、雑談の本質から考えてみましょう。
辞書を引くと雑談とは「様々な内容を気楽に話すこと。とりとめのない話」などの意味がでてきますが、用は結論を出さない話し、続けるための話だと理解して下さい。
2人で会話するとして、討論であれば勝ち負けや結論が要求されます。議論も同じですね。
ところが雑談にはそれが存在しないのです。よって、雑談が苦手な方は結論が出るような会話になっていないかをチェックしてみて下さい。
例 1
「卵料理で最強なのはだし巻き玉子です」
例 2
「私は卵が大好きで一日に最低でも3個は食べています。朝は目玉焼きか、炒り玉子、夜はだし巻き玉子なのですが、やはり最強なのはだし巻き玉子です」
例1だと、聞いていて疑問符がつきますが、例2だと卵好きの個人的見解なので否定も肯定も出来ないのですが、言っている事は同じです。
例 3
「野球よりもサッカーの方が見ていて盛り上がる」
例 4
「私は中学、高校、大学とサッカーばかりやっていたので、今でも野球よりサッカーの方が見ていて盛り上がる」
先程と同じで、例3だと怒りを感じる人もいるでしょうが、例4だと個人の経験からくる主観なので、少なくとも否定は出来ません。
つまり、結果を出さずに話を続けるには否定をされないことが原則となります。
肯定はされなくても否定はされず、加えて自分のパーソナル情報を織り込むと、あなたの人間像を作っていってくれる事も大切な効果です。
例 5
「先週の日曜日に祖母の誕生日だったので、花を買いに行ったのですが今年は気候のせいか高くてびっくりしました」
「びっくりした」で終わる話ですが重要なのは、その前段です。
毎年祖母に花を買っていると想像できます。好感をもってもらう要因の一つとなります。
雑談とはいえ会話ですからキャッチボールになっていないと成立しません。
語尾を質問で終われば良いのです。
加えて、適していない話題だと気付けば方向転換や話題を変えることも視野に入れておきましょう。
例 2-1
「私は卵が大好きで一日に最低でも3個は食べています。朝は目玉焼きか、炒り玉子、夜はだし巻き玉子なのですが、やはり最強なのはだし巻き玉子です」
「だし巻きはいいよな、酒のつまみにも良い」
「そう、ご飯にも酒にも合うところが最強だと思います。
○○さんもよく食べるんですか?」
共通の好きが見つかったら、掘り下げて行けば延々と会話は続きます。
どこどこの居酒屋のだし巻きが旨いとか、○○卵が他と違うとかの話題が出てくれば、「その居酒屋はどこにありますか?」
「その卵はどこに売っていますか?」など質問をしていれば良いのです。
誰でも好きな物の話題は楽しくなる物です。
例 2-2
「私は卵が大好きで一日に最低でも3個は食べています。朝は目玉焼きか、炒り玉子、夜はだし巻き玉子なのですが、やはり最強なのはだし巻き玉子です」
「あいにく卵はアレルギーでね…」
「失礼しました。私にとっての卵は○○さんにとっては何ですか?
毎日食べるものってありますか?」
共通の話題にならないなら方向転換を速やかにしましょう。
相手の嫌いな物をすでに好きと宣言しているので、相手の好きな物を聞き出して共通の好きを見つけましょう。
例 4-1
「私は中学、高校、大学とサッカーばかりやっていたので、今でも野球よりサッカーの方が見ていて盛り上がる」
「同じですよ、私はスタジアムにも行く」
「そうでしたか、私はスタジアムには年間で一、二回位しか行けませんが、○○さんはどれ位行かれますか?」
共通の好きなので掘り下げますが、盛り上がりよりもスタジアムに行くという返答はその話題にしたいのではないか。と想像できます。そこは逃さずに話題に乗っかって質問していきましょう。
例 4-2
「私は中学、高校、大学とサッカーばかりやっていたので、今でも野球よりサッカーの方が見ていて盛り上がる」
「スポーツは苦手でね、どっちも見ない」
「そうでしたか、私の学生時代はスポーツ漬けの汗臭い思い出しかありませんが、○○さんはインテリな感じがしますから科学部の部長とかされていたのですか?」
共通ではないので方向転換しますが、スポーツが苦手と言う言葉に注意します。
野球、サッカーではなくスポーツが苦手なので一番逆方向に振ってみて様子を見ますが、学生時代自体がNGワードの可能性も否めません。そうだとすると自分はインテリなイメージで見ているという、一段下がった所にいるという立ち位置を明確にして、相手に話しやすい状態を作る事に専念します。
この場合は質問ばかりの状態にすると逆効果もありえるので、好きな物が分かってから質問しましょう。
例 5-1
「先週の日曜日に祖母の誕生日だったので、花を買いに行ったのですが今年は気候のせいか高くてびっくりしました」
「おばあちゃんの誕生日に花? 毎年買ってあげているの?」
「就職した年からです。ちょうどボーナス時期ですからね」
相手が質問してくるのは、あなたに興味や自分にない部分を見たからです。
相手が次の質問が続けばあなたの印象は強く残ります。
ですから、好感をもってもらえるエピソードに徹して下さい。
嫌悪感からの質問なら逆効果になります。
雑談で大切なのは否定されない事。
そのために自分が好き、自分が嫌い、自分の経験、自分の考え方、自分が見た感想に徹することです。
雑談で大切なのは話し続ける事。
そのためには共通の好きを見つける事、見つかったなら掘下げる事、質問をする事、質問をされたら好感度を考慮して返す事。
これだけでも雑談するだけなら充分だと思います。
営業の会話のネタは無限にある!
さて、問題は営業における雑談である事です。
それでは営業における雑談って何でしょうか?
「人それぞれかもしれませんが営業トークにおける雑談の位置づけを何処におくか…」
コレに尽きるとは思うのですが、私の場合。
・私が営業する物は会社の知名度だけでは売れません。
ですから、安心できる担当の人がいると思って頂かないといけません、信頼と契約はイコールなのです。
そのために雑談は不可欠なのです。
・私が営業する物は毎月請求し、お支払い頂く物です。契約だけして終わる一見営業ではありません。
ですから、毎月ちゃんとお支払いして頂けるお客さまか否か判断しなければなりません。
そのために雑談から得る情報は不可欠なのです。
・私が営業する物は付帯する様々なアイテムが存在します。
ですから、お客さまのニーズ、家族構成、考え方、嗜好、収入をある程度知らなければマッチングしません。
そのために雑談という形からテストクローズによって見込みを作るために不可欠なのです。
こんな感じですが、これを出来るのは雑談だからなのです。
構えず、構えさせずに話しをするから出来る事なのです。
私は営業ではタブーとされていますが、宗教や政治の話しもタブーとは思っていません。
明らかに信心している宗教や応援政党が分かる場合もあるからです。
分かっているのに、そこに触れないって事は信頼を得られないと思うのです。
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多岐にわたりますが、相手と共通の好きが見つかれば良いのです。
ですから、タブーなんてありません。
話題は無限です。無限の話題の中から共通の好きを見つければ良いのです。
話題は無限ですが、自分の中の知識、情報が無限ではありません。
新聞を読めとか、ニューストピックスをチェックとか言いますが、もっと簡単な事はあなたが知っている全ての物を好きになることです。
トーク力を鍛える方法はコレ!
トーク力を鍛える。
色んなセミナーや教材があるので、きっとそれを行えば鍛えられるのでしょうが…
私はたくさん話す事しかないと思います。
いくら勉強しても会話ですから相手がいます。
相手の返答は経験でしか予測できません。
だから実践しましょう。
自分以外に一人いれば良いのです。
親、兄弟、子供、近所の誰か、同僚、コンビニの店員さん…
誰かに話しかけて、想定した着地に持って行けるかどうかを試すのは面白いものです。
例えば同僚と…
仕事帰りに居酒屋に行くのが着地だが、相手に誘わせる事が出来るか。
重い仕事を相手にさせるのが着地だが、自分が重い仕事をすると言い出しても出来るか。
親と…
親のお金で焼き肉が着地だが、ラーメンを自分がおごると切り出しても出来るか
当然、どれも時間がかかりますが雑談の中であればそれが出来るはずです。
これは営業トークにも繋がっていくので、遊びのつもりで試してみて下さい。
まとめ
賛否は様々でしょうが、私がそうだという話しです。
営業に必要な武器は言葉だけです。
言葉にこだわりましょう。
そのために考えましょう、考えた時間と試した数が糧となると信じています。
少しでも参考になれば幸いです。