卒業式につきものなのが、来賓の挨拶ですよね。
〈式典〉ですから、誰でも緊張することでしょう。
そこで今回は、PTA会長の挨拶について考えましょう。
PTA会長は様々な職業の人がいるので、普段挨拶になれている人、そうで無い人といると思いますが、例文を参考に挨拶文を考えて行きましょう。
PTA会長の挨拶の例文 小学校の場合
まず基本的な考え方をおさえておきましょう。
学校は先生方を代表とする教育委員会が運営を行い、そこに通う児童が児童会を作っています。
そして保護者の代表機関としてPTAが存在していて、それは児童を支援するボランティア団体です。
ですから、児童主体の目線でも良いのです。
先生方や地域社会に気をつかう必要はありません。
大人の視線を気にして、言いたいことを言えないのでは意味がありません。
児童、生徒がいる前で挨拶をする時は、特に立ち位置をハッキリさせるためにも、この事はおさえて欲しいところです。
児童生徒がいる席で挨拶をする場合。
① 先生(大人すぎる)目線にならないこと
② 元気よく、はっきりと言葉を伝えること
③ 児童生徒を支援する団体の代表である意識を明確にすること
④ 主賓は児童生徒であること
以上の心構えで挨拶は考えましょう。
次に挨拶内容を考えましょう。
挨拶の時間は(小学校であれば)5分位がベストだと思います。
内容が長くなるのであれば、ある程度は早口でも聞き取れます。
ただ、ゆっくりと話すところを上手に作る必要があるかもしれません。
長いスピーチ=良いスピーチ ではないので、あくまでも内容勝負でいきましょう。
主賓は児童です。
大人ではないので難しい表現や定型を気にせず、思いを伝えることに徹しましょう。
具体的な思い出があれば使っても良いでしょうが、全体に当てはまるかは精査して下さい。
〈ある一部〉だけにしか伝わらないのは、やはり良いスピーチではありません。
スタンスとしては、人生の先輩から学校では教えてくれない一言くらいの感じがちょうど良いでしょう。
ただ、一点。これだけは覚えておいて欲しい!!
という事は作っておきましょう。
起承転結はいつでも大事ですから、(転)に一番伝えたい事をはめるのが良いでしょう。
① 5分程度で終わらせること
② 児童を引きつける内容であること
③ ゆっくりと話す部分を作って印象を残すこと
④ 自分たちを支援してくれていると理解してもらうこと
⑤ 伝わるスピーチ=良いスピーチだと理解すること
以上を踏まえて内容は考えましょう。
pta会長の挨拶 卒業式の場合の例文
「卒業生の皆さん、本日をもって六年間の小学校課程の卒業。本当におめでとうございます。
皆さん、六年間色々な、たくさんの思い出があることでしょう。
努力が報われて楽しかったこともあったでしょうし、
残念ながら、思った結果が出ずに悔しい思いをしたかもしれません。
目を閉じて、少し思いだして下さい・・・
思い出せましたか?
思い出せた人は、頑張り屋さんです。
目標をもって一生懸命取り組んだ人だと思います。
思い出せなかった人は、まだ夢中になれることが見つかっていないのかもしれません。
きっと、これから中学校や高校で見つかるのかもしれません。
ですが、なるべく早く見つけて欲しいと願っています。
また、思い出せた人も、もっと大きな悔しさや楽しさを経験することでしょう。
皆さんがこの○○小学校で学んだことは何だったのかを忘れないで下さい。
私は、皆さんが幸せな人生を送るための基礎を学んだと思っています。
友達の作り方から始まり、友達と協力すること、人の痛みを感じること、
人と楽しさを共有すること、つまり、敬意と慈しみをもって人と接することだと思っています。
中学校に進んでもそれを忘れずに、敬意と慈しみをもってたくさんの友情を育んで下さい。
私達PTAは、皆さんがこれからも努力したり、楽しんだり、友情を育むことを安心して出来るよう
最大限の支援を続けていきます。
また、在校生の皆さん、皆さんが卒業生を温かく送り出して来ることにも心から感謝致します。
ありがとうございます。
皆さんがいてくれたから、卒業生は最上級生として成長したのだと思っております。
最後になりましたが、ご指導頂いた学校長を初めとした教員の皆様、並びにPTAにご協力頂いた
保護者、地域の皆様にも厚く御礼申し上げ、PTA会長の挨拶とさせていただきます」
「卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
並びに、保護者の皆さまにも、お祝い申し上げます。
卒業生の皆さんが色々な思い出があるように、保護者の皆さまも数々の思い出がある事と思います。
寝ぼけて迷惑をかけるんじゃないかと心配した修学旅行。
良い格好したくて一緒に特訓だと言ってはみたマラソン大会。
それぞれの思い出がありありと思い出されます。
通学路の心配をしながら送り出してから、あっという間の六年間でした。
児童と呼ぶよりは、幼児と呼びたくなるようなみんなでしたが、この小学校生活で少年、少女に
成長したと心から思います。
ですが、身体はほったらかしでも成長してくれますが中身はそうはいきません。
私はこの○年間、PTA会長をさせて頂いた中でのテーマとして掲げていたことは、
「自分の頭で考え、自分の手で作り、自分の足で確かめる」そんな人になってほしいと願って来ました。
運動会などでも言っていたので記憶にある人もいるかもしれませんが、今日は卒業生の皆さんには正直に
話します。
「自分の頭で考え、自分の手で作り、自分の足で確かめる」これは私が今現在も目標としていることです。
40歳を過ぎても実現は出来ませんが、目標がなければ理想には到達できません。
何となくオリンピックに出れた人は、一人もいないのです。
そこを目指して努力や勉強をするから到達できるのです。
同じように何となく政治家になったり何となくプロスポーツ選手になる人だっていません。
そうなりたい。と願うからそれは実現するのだと覚えておいて下さい。
残念ながら、○組には写真で卒業式に参加している同級生がいます。
きっと、この卒業式にも出たかった。出ることは当然だと思っていた事でしょう。
だから皆さん、自分は幸せなのだと感じて下さい。
そして、友達の分まで何かを達成できる人になって下さい。
結果はどうあれ、目標を目指さない限り目標にはたどり着けないのですから…
○○小学校で気付いた友情が永遠に続くことと、第○○回卒業生が幸せな人生を
歩くことを心から祈っております。改めて、おめでとうございます。
最後になりましたが、ご指導頂いた学校長を初めとした教員の皆様、並びにPTAにご協力頂いた
保護者、地域の皆様にも厚く御礼申し上げ、PTA会長の挨拶とさせていただきます」
あくまでも例文ですから、ご参考にしてください。
謝恩会でのPTA会長挨拶の文例
謝恩会は大人だけですから、当たり障りのない挨拶で良いと思います。
主賓は卒業生の保護者となるので、労いの言葉があれば基本はOKです。
また、教職員も参加するのであれば感謝の言葉も忘れずに…
そういう意味では、建前だけの挨拶以外に選択肢がないのかもしれません。
「時節柄お忙しい中とは存じますが、本日はこの謝恩会にたくさんお集まり頂きありがとうございます。
若輩者の私が僭越ではございますが、PTAを代表致しまして一言述べさせて頂きます。
まずもって卒業生の保護者の皆さま、ご卒業おめでとうございます。
初めての経験ばかりでこの六年間、私も含め戸惑った方もいたと思いますが、今日の卒業生は大変立派で頼もしく
見えたのは、私だけではないと思います。皆さんが良い形で学校生活に関わり、または助言し
陰日向となった証が子供の成長だと、私は信じています。
「親バカは良いが、バカ親にはなるな」 私の父から言われている言葉です。
時にこの言葉で自分を律して、考え込むこともございます。
私達PTAは子供の成長を支援する団体であって、障害を取り除く役割ではありません。
むしろ、乗り越えられる障害を意図的に設定してあげることが役割なのかもしれないと考えることも
ございます。
これからも、子供の成長を第一に考えたPTAであって欲しいと願っております。
並びに、ご指導にご尽力頂いた先生の皆さん。
厳しさと愛情を持った教育を実践して頂きありがとうございます。
卒業生同様に私も、皆さんの学級、皆さんの教育で卒業できたことが財産だと思います。
PTAという立場からも、理解のある先生達で感謝の言葉しか浮かんできません。
ともあれ、これから中学、高校と子供達は成長していきます。
年齢に応じた様々な悩みが出てくることでしょう。
そんな時は、このPTAで悩みを解決してきたように、気軽に声を掛け合いましょう。
そして、ここから始まったPTAの関係が末永く続く事を願って、私の挨拶とさせて頂きます」
誰に向けて、何を言うのかを間違えなければ、大きく外れることはありませんのでご安心下さい。
最後に
小学校の卒業式は保護者にとっても一大イベントですし、子供の手前もあるので大変緊張するかと
思いますが、どんな素晴らしい挨拶をしても、どんなにしくじった挨拶をしても同じ5分です。
10年後には誰も細部まで覚えていません。
だから、肩の力を抜いていきましょう。
緊張は声も上ずるし小さくなるし、良い所が一つもありません。
あなたの挨拶がうまくいくことをお祈りいたします。